hacchi🐝の洋ドラ生活

あれやこれや感想もどきを勢いで書きまくるブログ

『ブルシット・ジョブ クソどうでもいい仕事の理論』

タイトルから「まだ〇〇で消耗しているの?」的な煽り本かと思ったが、内容は文化人類学者によるまじめな論考で、現代の労働環境について非常に洞察が深い内容だった。8割がた読み終え、初めにそのように思ってすみませんという気持ちになった。

著者によると、なくてもいい仕事、上に立つ者が権力を持っていることを印象付けるだけのために存在している仕事はブルシット・ジョブなのだという。そしてそのような形態の本来なくてもよいと思われる仕事は近年急速に増殖しているのだという。

長年会社員として働いているとそのような仕事に出くわさないほうが難しいのではないかという気もする。自分が従事している仕事のブルシット性には以前から気づいていたが、他の人はどうなんだろうというのはたしかに気にはなっていた。本書によるとそれ自体はめずらしくもない世界的な現象なのだそうだ。

まあ生活費は稼がないと生きていけないし(少なくとも自分が望む程度の生活をするには)仕事でお金をもらう以上、常におもしろおかしく過ごすことができないのはわかっているとはいえ、長年やってると「これってなんの役に立つんだろう…」という考えが仕事中に頭をよぎらないでもないのはたしか。そうであるとしても明日も仕事に行くしかないとはいえ。仕事に対する姿勢の根本をすこし考え直すきっかけになった本。